超高齢社会への切り札としての介護サービス~小規模多機能型居宅介護
わが国の世界でも類をみない高齢化と急激な増加が見込まれる認知症に対して、1960年代に始まった訪問介護(ホームヘルプ)、短期入所(ショートステイ)そして通所介護(デイサービス)など在宅福祉三本柱や老人福祉・保健施設だけではとても対応しきれないと予測されています。
その切り札として、スウェーデンに始まったグループホームが、認知症になっても地域での生活を継続できるものとして1997年に導入され、2000年の介護保険制度の目玉として制定されたのですが、介護報酬額が介護度の重度化とは連動せず、軽介護度の利用者が中重度化すると特別養護老人ホームなどの施設へ移る、という施設誘導の結果をもたらしました。
それらの反省から、川原秀夫氏(熊本)、宮島渡氏(長野)そして故小山剛氏(新潟)の3氏らは、住み慣れた地域でいつまでも暮らすことができることをめざした多機能サービスを提案し、2006年小規模多機能型居宅介護事業が開始されたのです。介護度が中重度であっても地域の中で支援する、そのケアマネジメントの中心はライフ・サポート・ワークであり、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を維持向上させることにあります。ここでいうライフとは、いのち、生活・暮らし、そして人生を包含することから、その人を丸ごと支えることを理念として小規模多機能は運営され、これまでの様々な実践は、新たな制度創設のきっかけにもなっています。
一人暮らしでも、認知症になっても住み慣れた地域でいつまでも暮らせることが一般住民のみならず専門職へも広く受容されるためには、その仕組みをより分かりやすく見える化することが大切です。その一助として、このたび新潟県小規模多機能型居宅介護事業者協議会はホームページを開設しますが、小規模多機能サービス創設に携わられた故小山剛氏の想いと理念を共有し、さらに小規模多機能の質の向上とあらたな取組みのきっかけになることも期待しています。
2019年12月から始まった新型コロナウイルス禍は、2011年3月11日の東日本大震災と同じく、人と人の触れ合いの大切さを再認識させてくれました。その結果、それらを繋ぐためにWebでのオンライン研修などが一気に加速されています。コロナ禍と共に将来の超高齢社会への対応は待ったなしで、介護の在り方を新たな仕組みで熟考する時なのです。
新潟県小規模多機能型居宅介護事業者協議会
会長 斎藤 忠雄(サイトウ タダオ)
斎藤内科クリニック 院長
株式会社ルピナス新潟 代表取締役
地域密着型デイサービスセンターるぴなす
看護小規模多機能型居宅介護事業所ケアステーションるぴなす
居宅介護支援事業所るぴなす
訪問看護ステーションるぴなす